民主主義を育てるヨーロッパの教育現場

 

「民主主義」とは何なのでしょうか。この言葉は私たち生活の中に当たり前のものとして根付いているでしょうか?
学校で、家庭で、地域で、自身の力で豊かな暮らしを作り出そうとしているでしょうか? そして、その豊かさとは一体何でしょうか?

今回のプログラムの滞在地であるドイツとデンマークにはその民主主義を支える市民団体、民主主義的な生き方を実践する場所が存在します。そういった市民団体や場所に光を当て、特に人々の暮らしや生き方に影響を与える“教育”に焦点をあててその実態を見て行きたいと思います。

プログラム前半はドイツのハレという街に滞在します。様々な視点から教育に携わり、移民が急増し今まさに多様性を増しているドイツ社会を支える市民団体を訪問します。
また、貧困層の子供たちに対する教育の考えをヨーロッパ中に広めたと言われている実践者アウグスト•ヘルマン•フランケ(1663-1727)のつくった教育施設を訪ね、その考えと方法にアプローチします。彼の残した総合教育施設は世界遺産登録を目指しながら、現在に至るまでも大学や小学校、老人ホームなど様々な教育複合施設として使用されています。その教育のプラットフォームとも言える場所を訪問し、施設内にある学校同士の関わり合いなども見ていきます。

それぞれのスタッフが、現場でどういう思いをもって活動しているのかを、対話を通して学び、参加者一人ひとりの中で深めていきます。
今起きている社会問題に目を背けることなく、その問題を市民の力で対処していこうとしているドイツを通じて、今後多様化していくであろう日本や世界全体について何か考えるきっかけやヒントを得る時間を全員でつくっていきます。

プログラム後半は、デンマーク国内で唯一日本人によって作られた教育機関フォルケホイスコーレ「Nordfyns Højskole(ノーフュンス・ホイスコーレ)」に滞在します。フォルケホイスコーレは、試験や成績が一切なく、民主主義的思考を育てる場であり、知の欲求を満たす場です。特にノーフュンス・ホイスコーレは福祉を学ぶことが出来るフォルケホイスコーレとして知られており、生徒は福祉がデンマーク社会においてどう捉えられ育てられてきたのかを考えることができます。同時に、フォルケホイスコーレがデンマーク社会にどのような価値を生み出しているのかも、体験を通して学ぶことができます。
実際に授業を体験してもらいながら、フォルケホイスコーレが大切にしている”他者と共に生きる”こと。そして”一人ひとりが個人として在ること”の2つを感じてもらいたいと思います。

WHAT IS FOLKEHØJSKOLE?

フォルケホイスコーレとは、北欧独自の教育機関です。
フォルケホイスコーレの特徴は、試験や成績が一切ないこと、民主主義的思考を育てる場であること、知の欲求を満たす場であることです。
加えて、全寮制となっており、先生も含めた全員が共に生活することなども代表的なフォルケホイスコーレの文化です。
生徒はみな国籍関係なく国からの助成金を受けることができ、学費の一部を払うだけで入学できます。
もともとフォルケホイスコーレは、哲学者であり教育者でもあるデンマーク人のグルントヴィが「すべての人に教育を」というコンセプトのもと、
主に学校に通えない農家に育った人などを対象に創設しました。
やがてもう一人の創始者と言われるクリステン・コルがフォルケホイスコーレを今の民主主義的教育メソッドに変えたと言われています。

1844年に最初のフォルケホイスコーレが開校しました。20年後、64年のシュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争に敗れたことで市民の間で「知」への欲求が大きく増加し、
67年にはおよそ20校が、その50年後には68校がつくられました。その後も学校数は少しずつ増え続けますが、2007年ごろから不況により統廃合が行われ、
現在では1918年時点とほぼ同数の70校前後があります。
統廃合された結果今残っているものの多くは、特定の分野に特化し個性を持った学校です。
特化された分野はアート、スポーツ、哲学、福祉など様々ですが、今でも創始者の目指した知を蓄える場所であることや、
民主主義を育てる場所であることはどの学校も一貫して守られています。

ドイツ,デンマークの民主主義の土壌を肌で感じる9日間

ハレは旧東ドイツにある中都市の一つで首都ベルリンから南に2時間弱のところに位置します。この町はザーレ川の湖畔にある豊かな自然に囲まれた町で、岩塩の生産地として発展しました。2006年には1200年の歴史を数えたドイツの中でも歴史ある町のひとつとも言えます。ドイツでプロテスタンティズムを始めたマルチンルターも滞在していたことや音楽家のヘンデルの出生地でもあるこの町を歩くだけで何か歴史を感じさせてくれるのはこの町の魅力とも言えるでしょう。
ここに住むハレの住民は他の旧東ドイツの町と比べるとオープンな人が多く、また歯に衣を着せず、直接的な言い方をする人も多くいますが、ものごとをはっきりするという点では相手が何を思っているかはっきり言ってくれるので変な苦労もありません。このハレの面積や人口と日本の都市を比較すると日本にはこの規模の町がないことがわかります。これからの日本社会の方向性としてこの町を一つのモデルとして捉えることができるのではないでしょうか。

 

ノーフュンス・ホイスコーレは、デンマーク国内で唯一の日本人によって設立されたフォルケホイスコーレです。

普通の教育が合わない若者が自分たちの長所を活かして社会に貢献するすべを身につけることができるコースがあったり、肥満体型の人が太らない生活習慣とそのマインドセットを構築することが出来るコースがあったり、知的障害者が家族のサポートから離れて自立した生活を送るためのコースがあったりする一方で、留学生も受け入れており、福祉やサステナビリティに焦点を当てた授業を展開しています。日本人留学生も毎ターム参加しており、英語やデンマーク語を学びながらデンマーク社会について学んでいます。

近隣の施設や自治体と協働でプログラムを組んでおり、地域が一体となって人々を大切な社会の資源として育て世に輩出しています。

 

 

DETAILS

  • 応募締め切り:3月27日(月)
  • スケジュール:4月5日(水)~4月13日(木)
  • 応募人数:5名
    ※参加者は、先着順で選定させていただきます。
    ※最低催行人数の 2 名に満たない場合には、プログラムは中止となりますのでご了承下さい。
  • 開催場所:ハレ(Halle)市/ノーフュンス・ホイスコーレ(Nordfyns Højskole)
    Fælledvej 11, 5400 Bogense(Nordfyns Hojskole)

申込みは終了しました

FEE

授業料 全日程:16万円/デンマーク日程のみ:9万8千円

<全日程>
※日本での交通費・日本〜ベルリン,ベルリン〜コペンハーゲン,コペンハーゲン〜日本の航空券代は除きます。
※主な食事は費用に含みます(飲み物代は各自)。ドイツ−デンマーク移動中の食事は除きます。
※宿泊費用はすべて含みます。

<デンマーク日程のみ>
※ノーフュンスホイスコーレまでの交通費は除きます。

◎いずれの場合も、解散以降コペンハーゲンに延泊される場合は、1泊分の宿泊費が加算されます。(個人で手配していただいても構いません。

*持ち物などの詳しい情報は、ウェルカムレターにてご連絡いたします。


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応募条件

  • 日本の社会教育に位置する活動に関わっている方
  • 海外の教育に興味のある方
  • ヨーロッパの生涯教育や市民活動に興味のある方
  • 教育のあり方を考え直したい方
  • プログラムは英語が必要な場合がありますが日本人によるサポートがあります

キャンセルポリシー

キャンセルされる場合は、当団体のキャンセルポリシーに基づきキャンセル料が発生いたします。

  • 開講1か月以前のキャンセル:参加費の0%
  • 開講1か月以降のキャンセル:参加費の10%
  • 開講1週間以内のキャンセル:参加費の20%

を頂戴し、残り全額を返金いたします(振込手数料差引額)。
開講当日までにご連絡いただけない場合は全額を頂戴し、返金は行ないません。

実施までの流れ

-3/27(月) 募集締切

※お申し込み順に料金振込先および航空券に関する情報をご連絡いたします。

※開始日までに各自航空券をご購入ください。

3/28(火)-3/30(木) ウェルカムレター送付

タイムテーブル

 

訪問先の都合により多少変更いたします。
変更は随時ウェブサイトに反映いたします。

DETAILS

Step(day)内容
4/5(水)

-集合

13時ごろベルリン集合/バスにてハレ市へ
4/6(木)

-視察・意見交換

イントロダクション、社会教育を行う団体を視察・意見交換
4/7(金)

-複合施設の見学

NPO、市民団体の視察・意見交換、教育に関する複合施設の見学
4/8(土)

-移動、館内視察

ハレ→ベルリン→コペンハーゲン→ノーフュンス・ホイスコーレへ移動、館内視察
4/9(日)

-イントロダクション

デンマーク社会・フォルケホイスコーレに関するイントロダクション
4/10(月)-12(水)

-授業体験

フォルケホイスコーレ授業体験 SOSUコース
4/13(木)

-振り返り、14時ごろ解散

*このプログラムを通して学んだことを参加者同士で共有し、確かな学びとして日本へ持ち帰れるようにします。

※希望者はコペンハーゲンにて延泊可

※ドイツでの訪問先候補は以下の団体になります。申し込みいただいた方の希望を伺いながら決定致します。

Friedenskreis 平和団体で政治教育やグローバル教育を行っている団体。小中高にも訪問したりと活動は多岐にわたる。 http://www.friedenskreis-halle.de/
Dorn Rosa フェミニズム団体 http://www.dornrosa.de/
Lebensart 性に関するアイデンティティ教育を行っている団体。 http://www.bbz-lebensart.de/CMS/
Freiraumprojekt 壁アート企画による、街の復興を行っている団体。 http://www.freiraumgalerie.com/
Freiwiiligeagentur 避難民(難民)をはじめ街のボランティアをしたい人を受け入れている団体。 http://www.freiwilligen-agentur.de/

ORGANISERS

 
山本勇輝

Yuki Yamamoto

山本勇輝

活動:2013年夏よりHøjskolen på kalø (ハイスクールポカロエ)の学生として滞在しその後住み込みで働くスタッフとなり、現在では体育、自然、日本語の授業を受け持つ教師として滞在したことも。MADO kalø Denmark, MADO berlinの一員としても日本人生徒の受け入れやフォルケホイスコーレ情報を中心に発信している。

夢:フォルケホイスコーレを日本に作る

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建石尚子

Naoko Tateishi

建石尚子

1988年千葉県生まれ。大学卒業後、中高一貫校の教員として5年間勤務。学校教育の在り方に疑問を持ち、2016年秋にフィンランドの学校で3ヶ月間のインターンを経験。日本の文化である書道を教えながら、現地の教育について理解を深める。デンマークのフォルケ・ホイスコーレに滞在した経験も重なり、海外の教育にも関心を持つようになる。現在は国内外の様々な教育について知見を広げつつ、多様な学び方や生き方が認められる社会を目指して活動している。

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的場 陽子

Yoko Matoba

的場 陽子

1986年兵庫県生まれ。
東京で4年半教材製作会社に勤務したのち、隠岐諸島の海士町にある公営塾の講師として中高生の進路サポートに3年関わる。一人ひとりの感性を伸ばし、天性を見つけられる場づくりをしたいと考え、かねてより興味のあったフォルケホイスコーレに留学を決意。
ユラン半島にあるVestjyllandshøjskoleを2016年2月に卒業したのち、コペンハーゲンに在住しながらデンマーク各地を回る。現在、VIA Univerity Collegeの留学生向けプログラム”Nature,Health and Democracy”に在籍し、教育学を学んでいる。

海士町時代の記事『ないと思っていたものは自分の中にあった~島で見つけた本当の自分~』もぜひ読んでください。

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矢野拓洋

Takumi Yano

矢野拓洋

2011年東洋大学工学部建築学科卒業
2013年Bath University Architecture and Civil Engineering MSc Architectural Engineering: Environmental Design卒業
2014年-デンマーク在住 設計事務所勤務 建築家、研究者としてデンマークの建築設計思想とデンマークの社会制度、文化の接点を学ぶ 民主主義的設計アプローチと教育システムに関心を強め、 デンマーク民主主義教育のアイコンともいえるフォルケホイスコーレと関わりを深める

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野副耕三

Kozo Nozoe

野副耕三

桃山学院大学社会学部を卒業したのち、二年ほど営業職を経験する。他の国に住んでみたいという純粋な興味と自分の抱えていた日本社会への疑問の答えを探しに2011年ドイツへ。ワーキングホリデービザで一年滞在中、ヒルデスハイムにある三つの学校で二ヶ月間教育実習をさせてもらう。その経験がきっかけになり大学で教育学を学ぶことを決意。
2014年からハレ・ヴィッテンベルグ、マルチンルター大学教育学部在籍。

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Collaborator

 

※講師のプロフィールは随時更新します。

Momoyo T. Jørgensen

Momoyo T. Jørgensen

Nordfyns Højskole短期研修部代表。

1990年にデンマークに渡航後、20年以上に渡り介護福祉の分野で活動を続けている。2000年頃から日欧文化交流学院(現在のNordfyns Højskole)にて教員として働き始め、国立オーデンセ教育大学で教育指導学、教育心理学、心理学、社会学を専攻し、教員免許を取得。現在Nordfyns Højskoleの教員として短期研修部代表を務める。

 

LIFE IN DENMARK

 
Visaについて

Visa

デンマークはシェンゲン圏であるため、90日以内の滞在であれば日本人はビザを申請する必要はありません。スタディプログラム前後にデンマークを含むシェンゲン圏をご旅行される場合は、滞在期限が過ぎないようご注意下さい。

Insurance

渡航前に、海外旅行保険に加入しておくことを強くお勧めいたします。指定の保険会社等はございませんが、スタディプログラム期間をカバーするものであれば、多くの場合1万円以内で加入することが可能です。

Money

デンマークで使用されているお金は、デンマーク・クローネ(DKK, kr)です。1DKKは約18円(2015年6月現在)です。デンマークはカード社会なため、普段現金を見かけることは多くありません。ですが、まれにカードに対応していない店等もあるので、現金を準備しておくことをお勧めします。ATMは、ほとんどの場合銀行の外壁に取り付けられており、24時間使用することができます。

Transport

主な交通手段は自転車です。自転車道が整備されているため、快適に移動することが可能です。
通常の生活は自転車で行ける距離で行いますが、少し遠出をする場合には、公共交通機関を利用します。
首都圏で使われている公共交通は大きく分けて3つで、DSB、movia、Metroです。
DSBは通常ラインと、コペンハーゲン中心地のみ走っているS-trainに別れており、ボーセイホイスコーレに行くには通常ラインに載る必要があります。
コペンハーゲン中心地ではmoviaが運営するバスやMetroを利用するのも便利です。
DSBとMetroには自転車を持ち込むことも可能です。

Security

デンマークは非常に治安の良い国で、夜も問題なく外出することができます。大きな犯罪などもあまり耳にしません。
町中でデモが行われても、暴力騒動になどに発展することは極稀です。
しかしながら、スリなどに遭う日本人の被害届は跡を絶ちません。安定した国であるため油断してしまいがちですが、あくまでも海外にいるということを忘れず、学校施設内にいる時でも、常に貴重品の管理を注意深く行うようにして下さい。

乗り継ぎについて
気温にについて

Climate

1年通して日本より気温の低いデンマークは、夏場は非常に快適に過ごすことができます。
湿度も日本より低く、雨に濡れてもすぐに乾きます。寒暖の差が日本より激しいため、状況に合わせて気軽に着脱できる服装を準備しておくことをお勧めします。
特に朝や夜は肌寒く感じることが多いので、上着を忘れずにお持ち下さい。

引用元:World Weather Online

ドイツ,デンマークの民主主義の土壌を肌で感じる9日間

Fælledvej 11, 5400 Bogense(Nordfyns Hojskole) |HP: http://nordfyns.nu/